こんにちは、二児の父ぽよみです。
今回は、小学生が「わり算の筆算(ひっ算)」でつまづく背景を整理し、息子が公文式で取り組んでいる姿をヒントに、家庭でできる支援策をまとめます。
なぜ「わり算のひっ算」が難しいのか?
息子が公文式でわり算のひっ算に取り組む姿を見ていて、「ああ、ここでつまずくだろうな」と感じる典型的な壁がいくつもあります。以下に、代表的な5つの理由を挙げます。
1.「かけ算」と「引き算」の理解があいまい(割り算のひっ算は四則演算の集大成)
ひっ算では、かけ算の九九や引き算の繰り下がり・借りる・繰り上げなどが確実にできていないと、
- 「○×△=□がすっと出てこない」
- 「引き算での残りが出せない」
- 「見当づけた商が合っているか確かめられない」
という混乱が起きやすくなります。公文式でも、まずかけ算・引き算をしっかり定着させてからひっ算に入るという流れが大切なのがよく分かります。
算数は過去に習った内容を習得していないと次のステップでつまずくところがいくつもあります。割り算のひっ算もその一つです。
2. 手順が多く、思考の負荷が高い
わり算のひっ算は、
- 「何回入るか」を見当づける →
- その回数×わる数でかけ算 →
- 差(引き算)を出す →
- 次の位を下ろす →
- また「何回入るか」を考える…
という流れを繰り返します。
この手順の多さと、途中で「何をしていたか」を忘れがちな点が、子どもにとってかなりの負荷になります。
3. 桁の概念(位取り)があいまい
「何十の位」「何百の位」という構え(位取りの感覚)が曖昧だと、ひっ算の形を整えて書く意味が見えづらくなります。
たとえば「642 ÷ 3」のような問題で「6の中に3は何個ある?」と「十の位」「一の位」を意識せずに進めてしまうと、どこに商を書けばいいのか迷ってしまいます。
4. 「わり算とは何か」という意味理解が不足
ただ手順を覚えるだけで、「なぜこういう手順なのか」「何をしているのか」が理解できていないと、少し数字が変わっただけで立ち止まってしまいます。
「分ける」「等分する」「グループで分ける」という意味的な理解が、ひっ算を支える土台になります。
5. 見当づけ(試し割り)が苦手
ひっ算の肝とも言える「何回入るか(商を見当づける)」という操作。これは九九が定着しているだけではなく、「だいたいこれくらい入る」という数の感覚も含みます。
たとえば「84 ÷ 6」で「6×10=60」「6×20=120」などを頭に浮かべ、「14ぐらいか」と見当をつける力が必要です。これがあいまいだと、ひっ算の途中で止まってしまうことがあります。
家庭でできるサポート法
割り算のひっ算は、家庭でも少しの工夫で理解を助けることができます。
次のような方法を取り入れてみましょう。
① 「わり算=グループ分け」を体で体験
おはじきやブロック、お菓子などを使って、実際に「6個ずつ分ける」「何グループできる?」といった操作をしてみましょう。
「18個を6個ずつ分けると何グループ?」といった活動を通じて、割り算の意味を実感できます。
② 九九と引き算の基礎をしっかり確認
ひっ算の前に、
- 九九をスムーズに言えるか
- 繰り下がりの引き算に迷いがないか
を確認しておきましょう。
「6×7=?」「30−8=?」のように、日常の中で軽く声をかけるだけでも効果的です。
③ 「位取り(何十・何百)」を見える化
紙の上に「百」「十」「一」と書き込んで、「ここに商を立てるよ」と示すと、桁の意識が明確になります。
位を意識して計算することが、誤りを減らす第一歩です。
④ 「見当づけ」だけを練習する時間を設ける
ひっ算に入る前に、「何回入るか?」だけを練習しておくと、計算時に迷いが減ります。
「56 ÷ 7」「63 ÷ 9」「48 ÷ 6」など、短時間でできるウォーミングアップ問題を取り入れましょう。
⑤ うまくいかなかった問題を振り返る
間違いを指摘するのではなく、「どこで止まった?」「なぜ迷った?」と一緒に考える時間を持ちましょう。
自分の考えを言葉にすることで、次に活かせる学びになります。
おわりに
わり算のひっ算は、かけ算・引き算・位取り・見当づけなど、複数の要素が同時に絡み合う学びです。だからこそ、小学生がつまずきやすいです。
公文式で取り組む息子の姿を見ていて、「あ、ここをもう少し話せば理解が深まるな」「ここで一緒に声かけすれば安心だな」と感じる瞬間が多々あります。家庭で少しだけ手をかけてあげることで、ひっ算が「怖いもの」ではなく、「自分でできるようになる挑戦」へ変わっていきます。
「うちの子、なかなか先に進まないな…」と感じたときは、まず“どこで止まっているか”を一緒に確認してあげてください。少しの手助けが、子どもにとって大きな安心と自信になります。
今日ご紹介したサポート法、ぜひ家庭学習の中で取り入れてみてください。