子どもの「考える力」を育てる ― 感想を書くことで身につく言語化の力

こんにちは、二児の父ぽよみです。

最近、「自分の考えを言葉にする力」の大切さを改めて感じています。

息子(小学二年生)は、ロボットプログラミングの習い事に通っています。
レッスンでは、ロボットに様々な指令を与えるプログラムを作ります。
ブロックを組み替えたり、条件分岐を考えたりと、遊びながらも論理的思考を育てる内容です。

この習い事には、毎回「レッスンの感想を書く」という宿題があります。
最初はただのひとこと感想でしたが、見ているうちに「この感想文、実はすごく大事なのでは?」と感じるようになりました。

 

■ “感想のレベル”を見える化してみた

息子の書く感想をいくつか見ているうちに、表現の深さに段階があることに気づきました。
そこで、ある日のレッスン感想を例に、自分なりにレベル分けをしてみました。

 

レベル1:感情のみを表現している段階

難しかった。

👉「どう難しかったのか」が分からず、気持ちだけが伝わる。

 

レベル2:対象を示せる段階

プログラミングが難しかった。

👉 何が難しかったか(対象)は分かるが、まだ抽象的。

 

レベル3:具体的な内容が出てくる段階

色を識別する条件分岐のプログラミングが難しかった。

👉 「どの部分で難しかったか」が見えてきて、学習内容を説明できる。

 

レベル4:失敗の要因まで言語化できる段階

青色の時に進むプログラムを、赤色の時に左に曲がるプログラムに変えるのが難しかった。そのときにプログラムを間違えて、その間違いに気づくのに遅くなってしまった。

👉「何を」「どんな状況で」「どうなったか」を整理できている。

 

レベル5:原因分析ができる段階

青色の時に進むプログラムを赤色の時に左に曲がるプログラムに作り替える際、左に曲がるプログラムと前に進むプログラムの順番を逆にしてしまい思った通りに動かなくなってしまった。その間違いに気づくのが遅くなってしまい、全てのミッションを時間内に終わらせることができなかった。

👉 「なぜうまくいかなかったのか」が分かりやすく、思考の整理ができている。

 

レベル6:改善策まで書ける段階

青色の時に進むプログラムを赤色の時に左に曲がるプログラムに作り替える際、左に曲がるプログラムと前に進むプログラムの順番を逆にしてしまい思った通りに動かなくなってしまった。その間違いに気づくのが遅くなってしまい、全てのミッションを時間内に終わらせることができなかった。次のレッスンでは、作ったプログラムを動かす前に内容の確認を行いたい。

👉 改善策まで書けており、「振り返りから学びへ」と発展している段階。

 

こうして見ると、レベルが上がるにつれて
「感情 → 内容 → 原因 → 改善」
と、思考がどんどん深まっていくことが分かります。

 

「難しかった」だけではもったいない

息子は、何も言わなければレベル1か2の内容で感想を書きます。

でも、レッスンの様子を見ていると、実際にはもっと多くのことを考えているのです。
たとえば、ロボットが思ったように動かなかったとき、「どこを直せばいいか」を試行錯誤している姿。
「なぜうまくいかないのか」を自分なりに推測している姿。

その思考の過程こそが、いちばん大事な学びです。
だからこそ、「難しかった」だけで終わらせるのはもったいない。
せっかくの経験を、自分の言葉で残してほしいと思うようになりました。

 

親子の“振り返り対話”を習慣に

そこで、レッスンが終わったあとに、息子とこんな会話をするようにしました。

「今日のレッスンで、一番難しかったところはどこ?」
「どうして難しかったと思う?」
「うまくいかなかったとき、どうやって直したの?」

最初は「うーん…」と考え込んでいましたが、
何度か繰り返すうちに、少しずつ具体的な言葉が出てくるようになりました。

たとえば、
「順番を逆にしたからロボットが止まらなくなった」
「直すときに、前に進むブロックを後ろに持っていったらうまくいった」
といったように、ちゃんと理由や行動を説明できるようになってきました。

この“言葉にする”練習を通して、息子自身も「考えを整理する力」を身につけているように感じます。

 

言語化の力は、すべての学びの土台

自分の考えを整理し、相手に伝わる形で表現する――
これは、プログラミングだけでなく、どんな分野にも必要な力です。

どれだけ優れた考えを持っていても、言葉にできなければ伝わりません。
大人になっても、会議やプレゼンなどで同じことが言えます。
つまり、「言語化の力」は一生もののスキルです。

 

言葉で振り返ると、学びが深くなる

最近は、息子の感想文も少しずつ変わってきました。
単なる「難しかった」から、「どこが」「なぜ」「次はどうする」に変わりつつあります。

この変化を見ると、
言語化=自分の考えを掘り下げること」
だと改めて感じます。

書くことを通して、思考が整理され、次の行動が明確になる。
言葉にすることで、学びが“その場限り”ではなく“次につながる経験”に変わっていくのです。

 

最後に

どんなに素晴らしい考えを持っていても、言葉にできなければ伝わりません。
逆に、うまく言葉にできれば、自分の考えを磨き、他人に伝え、共感を生むことができます。

これからも息子と一緒に、レッスンのあとに「感想を書く時間」を大切にしていきたいと思います。
そして、この“言語化の練習”を通して、子どもだけでなく自分自身も、考える力を育てていけたらと思います。