小学生とテレビゲーム──思考力は伸びる? やりすぎは危ない? 家庭でルールを考えるために

こんにちは、二児の父ぽよみです。

子どもが小学生になると、「テレビゲームをどのくらいさせたらよいか」「ゲームは悪影響なのか、それとも良い影響もあるのか」と悩む保護者は多いのではないでしょうか。私自身も息子がゲーム好きで、このテーマには関心があります。最近、海外の大規模研究を中心に調べたところ、ゲームには認知能力を伸ばす可能性がある一方、長時間プレイには注意が必要だとわかりました。ここでは「ゲームによる認知面へのプラス効果」と「やりすぎのリスク」、そして「家庭でのルールづくり」について整理してみます。

ゲームが認知能力を高める可能性

まず注目したいのは、ゲームが子どもの思考力や注意力を鍛える可能性を示す研究です。

米国の大規模調査「Association of Video Gaming With Cognitive Performance in Children」では、9~10歳の子ども約2,000人を対象に、1日3時間以上ゲームをする子どもとゲームをほとんどしない子どもを比較しました。その結果、長時間ゲームをする子どもは作業記憶(ワーキングメモリ)や抑制制御を測るテストで、より速く正確に課題をこなす傾向が示されました【JAMA Network Open, 2022】。
👉 論文は以下のリンクを参照

jamanetwork.com

 

さらに、PLOS ONEに掲載された「Video games and board games: Effects of playing practice on cognitive abilities」では、子どもから大人まで幅広い年齢層を対象に、ゲームのプレイ時間とさまざまな認知機能(視覚的処理、空間的認知、ワーキングメモリ、柔軟な思考力など)との関連が調べられました。その結果、プレイ時間が長いほど認知能力が高い傾向があることが報告されています。ただし、非常に長時間になると効率が低下する可能性も指摘されています【PLOS ONE, 2023】。
👉 論文は以下のリンクを参照

journals.plos.org

 

これらの研究から、「テレビゲームは必ずしも悪ではなく、適切な種類と時間であれば、注意力や記憶力を伸ばす学びの場にもなり得る」と考えられます。

ゲームのやりすぎにはリスクも

一方で、ゲーム時間が長すぎることにはリスクがあります。JAMAの研究でも、1日3時間以上ゲームをする子どもは、注意障害や気分面での軽度の問題がわずかに高いというデータが示されています。これは直接的な学力低下を意味するものではありませんが、睡眠不足や学習時間の減少などを通じて学校生活に影響を及ぼす恐れがあります。

ゲームばかりになると、読書や外遊び、友だちとの交流など、総合的な成長に必要な活動が減る点も懸念されます。認知機能が一時的に伸びても、長期的な学習習慣が崩れてしまえば本末転倒です。

家庭でできるルールづくり

ゲームの良さを活かしつつ、悪影響を避けるには家庭でのルールが欠かせません。例えば以下のようなポイントが参考になります。

  • 1日のゲーム時間を決める
    小学生なら「平日は1時間まで」「宿題が終わったら」など、順序と上限を設定。わが家は基本的に1日1時間まで。休日友達が家に遊びに来た、等のイベントがあればその日だけ上限解放。
  • ゲームの種類を選ぶ
    パズルやシミュレーションなど、思考力や注意力を鍛えられるタイトルを優先。息子の場合、ポケモン、マイクラマリオカートが多い。
  • 生活リズムを守る
    就寝前のプレイは避け、睡眠時間をしっかり確保。
  • 親子で話し合う
    一方的に決めるより、子どもと一緒にルールを作ると守りやすくなります。
  • 定期的に見直す
    学校成績や睡眠状況を確認し、必要に応じて時間や内容を調整。

まとめ

テレビゲームは「悪者」ではなく、使い方次第で認知能力を育む可能性があります。しかし、長時間プレイは睡眠や学習を圧迫し、結果として成長にマイナスとなるリスクもあります。家庭でルールを話し合い、バランスをとることが何より大切です。

ゲームとの付き合い方を工夫すれば、楽しみながら学びのチャンスを広げることも十分可能です。