約10年後の息子の大学入試を見据えて──共通テスト「情報Ⅰ」を解いてみた感想

はじめに

こんにちは、二児の父ぽよみです。

先日公開された令和7年度(2025年度)大学入試共通テストの新科目「情報Ⅰ」。
今回この問題を実際に解いてみたのは、約10年後に息子が大学入試を迎えることを考え、
今からどのような学びや準備が必要かを確かめたかったからです。
ソフトウェアエンジニアとしての視点を交えつつ、親として感じたことをまとめます。

 

問題や回答の情報は以下を参照ください。

www.dnc.ac.jp

論理的思考と算数の力があれば対応できる内容

全体を通して印象的だったのは、専門的なIT知識を深く問う問題が少ないことです。
アルゴリズムやデータの扱いに関する設問はあるものの、基本的には
論理的思考力と算数レベルの計算力があれば解ける構成でした。
プログラム経験がなくても、手順を整理して考えれば答えにたどり着けます。
「知識を暗記しているか」よりも「筋道を立てて問題を分解できるか」が問われていると感じました。

配列の番号付けに現れる現実との違い

プログラミング経験者として目に留まったのは配列の番号付けです。
問題では「1番目」「2番目」と人にとって自然な表現が使われていますが、
実際のプログラミング言語では0から始まるインデックスが主流です。
教育上の配慮であることは理解しつつも、現実の開発環境との違いを知る良いきっかけになるでしょう。

第3問はプログラミング要素が強いが特別な知識は不要

唯一「プログラミングらしさ」を感じたのは第3問です。
変数や条件分岐、繰り返し処理などが登場しますが、特定の言語を知っている必要はありません。
疑似コードを読み、処理の流れを理解する力があれば十分に対応できる内容で、
コンピュータに指示を出す論理を体感できる良問だと感じました。

IPv6やデジタル署名など基礎知識も少し登場

試験冒頭では、IPv6デジタル署名といったインターネットの基礎知識が問われていました。
ただし計算や設定を詳しく覚えていなくても、概念的に理解していれば解けるレベルです。

  • IPアドレス:インターネット上の住所のようなもの
  • IPv6:従来のIPv4(約43億個)では足りなくなったため、より多くの住所を割り当てるための新しい形式
  • デジタル署名:電子文書が改ざんされていないことや、正しい送信者から届いたことを確認する仕組み

子どもに説明する際には、まず「インターネットには住所がある」という基本から始め、
身近なスマートフォンやメッセージアプリの話に結びつけると理解が進みやすいでしょう。

現時点で特別な対策は不要という結論

今回問題を解いてみて、現時点で特別な対策は必要ないというのが正直な感想です。
国公立大学における情報Ⅰの配点割合を調べても、理系学部でさえ高くはありません。
入試対策としては、当面は数学や英語など主要科目にしっかり時間を割く方が効果的だと思われます。
もちろん今後の制度変更によって重要度が高まる可能性はありますが、
少なくとも現段階では日常的に論理的思考を養う程度で十分と感じました。

おわりに

今回の共通テスト「情報Ⅰ」は、親としてもエンジニアとしても
「情報の仕組みを理解する大切さ」を再認識させてくれるものでした。
息子が高校に進むころには入試制度がさらに変わっているかもしれません。
ただ、試験対策に追われるよりも、普段の生活やニュースを通じて
少しずつデータや論理に触れる習慣をつけていくことが、結果的に最良の準備になる――
そう確信できた体験でした。