こんにちは、二児の父ぽよみです。
夏の公園といえば、あちらこちらから響く「ジジジジジ…」というセミの鳴き声。
外遊びを続けてきた我が家にとって、セミは夏を象徴する存在です。
けれど、実は私自身、長い間セミが苦手でした。
小さい頃、突然飛び立つ羽音に驚き、それ以来「触るのはちょっと…」と距離を置いてきたのです。
息子が2歳の頃も、木にとまるセミを見つけると興味深そうに指を差して眺める程度で、
触るどころか近くに寄るのも躊躇していました。
親子そろって“興味はあるけれど触れない”状態のまま、夏の公園を楽しんでいました。
息子の好奇心に応えたい
息子が年少さんになる頃、夏の公園でセミに出会う機会が増えていきました。
息子はじっと木を見上げたり、「あそこにいるね」と指差したり、目を輝かせて観察していました。
そんな息子の姿を見て、私はふと思いました。
「もし自分がセミを捕まえる姿を見せたら、息子は興味をもっと持つかもしれない」
息子は「捕まえたい」と言ったわけではありません。
でも目の前で親が挑戦する姿を見ることで、自然に興味が芽生えることは多いはず。
そこで私は、自分の苦手を克服することを決意しました。
私自身のセミ克服
まずは、恐怖心に向き合うことから始めました。
虫取り網を使ってセミを捕まえる練習を繰り返し、少しずつ手で触れることにも挑戦。
羽音に驚く瞬間は何度もありましたが、少しずつ「触れる」という感覚を自分の中で積み重ねていきました。
こうしてセミに対する苦手意識を少しずつ和らげていく中で、
息子の目の前で捕まえることができるようになりました。
息子の瞳に映った“挑戦する父”
息子がじっと見守る中、私は木にとまったセミをそっと手で捕まえて見せました。
息子は驚いたように目を丸くしながらも、興味深そうにじっと私の手元を見つめていました。
「どうやって捕まえたの?」と小さな声で尋ねる息子に、私は「そっと近づいて一気につかむんだよ」と笑いながら答えました。
その後、息子は私の手を通してセミに触れる体験を少しずつ始めました。
最初は私の手越しにそっと触れるだけ。
羽の感触や足の動きを確かめながら、少しずつ距離を縮めていく姿に、
“自分もできるかもしれない”という気持ちの芽生えを感じました。
親子で重ねた小さなステップ
年中の夏、息子は自分で虫取り網を持ち始めました。
最初は網を振るタイミングが合わず、セミは逃げてしまうことも多く、悔しそうな顔をしていました。
それでも「もう少しゆっくり近づこう」と声をかけながら一緒に挑戦を重ね、
ついに自分の力でセミを網に入れることに成功。
その瞬間、息子の顔には達成感があふれ、
「捕まえた!」と喜びを全身で表現する姿がありました。
この経験は、親である私が苦手を克服して挑戦したからこそ得られた、
息子にとっての大きな成長のきっかけでもありました。
ついに“手づかみ”の挑戦
迎えた年長の夏。
息子は網を使わず、自分の手でセミを捕まえたいと言い出しました。
木にとまったセミにそっと近づき、息をひそめながら手を伸ばす息子。
私が何度も見せてきた動きを、今度は息子自身が再現していきます。
パッと手をかぶせ――ついに成功!
手の中で羽を震わせるセミを、息子は満面の笑みで掲げました。
あの2歳の頃、触れることすらできなかった息子が、
そしてセミが苦手だった私が、ここまで来たのだと思うと胸が熱くなりました。
外遊びが育む挑戦心
今回の経験を通して感じたのは、
外遊びには挑戦する心を自然と育む力があるということです。
親がどれだけ「やってみよう」と言葉をかけても、
子どもは自らやってみたいと思わなければ一歩は踏み出せません。
でも親が苦手を克服して挑戦する姿を間近で見せることは、
子どもにとって強い刺激になります。
私がセミへの恐怖を乗り越え挑戦したことで、息子の好奇心が育ったのです。
まとめ
セミを捕まえられるようになったこと自体は、
生活に直接役立つスキルではないかもしれません。
けれど、怖かったものに少しずつ近づき、
自分の手でつかみ取る経験には、
これからの成長に欠かせない“挑戦する心”が詰まっています。
外遊びを通して、
親子で一緒に苦手を克服し、自信を積み重ねていく――
この夏の体験は、息子だけでなく私自身にとってもかけがえのない宝物になりました。
今年も公園にはあの大合唱が響き渡ります。
セミの声を聞くたび、
息子の小さな勇気と、親子で歩んだ成長の日々を思い出すことでしょう。